Procain(プロカイン)のモデリング
プロカインはNaイオンチャネル阻害型局所麻酔薬としてよくしられている分子で、p-アミノ安息香酸とジエチルアミノエタノールのエステルという、非常に単純な分子です(Fig.1)。まずは、プロカインのモデリングを、Winmostarを使って行ってみましょう。
Winmostarの起動直後は、Fig.2のような画面になっています。ここから、画面左上にある各種置換基追加ボタンや元素変更プルダウンメニューなどを駆使し、モデリングを行います。まず最初に、安息香酸ユニットから組むことにします。炭素と水素が一個ずつ画面に表示されていますが、炭素をクリックして選択し、左上に並ぶボタンの中にある[-C6H5]ボタンをクリックします。これにより、炭素がフェニル基に置き換えられ、ベンゼンができます(Fig.3)。
次に、ベンゼンの水素をひとつクリックして選択し、[-C6H5]ボタンの隣にあるプルダウンメニューをクリックします。ここにはいろいろな置換基が登録されています。この中から「-COOH」を選択し、[Add]ボタンをクリックします。すると、先ほど選択した水素がカルボキシル基に置換されます(Fig.4)。同じように、カルボキシル基のパラ位の水素を選択し、アミノ基で置換することにより、p-アミノ安息香酸を作成することができます(Fig.5)。
続いて、カルボキシル基の水素を選択し、画面左上の[-CH3]ボタンをクリックします。これにより、カルボキシル基はメチルエステルとなります。今追加したメチル基の水素を選択し、再び[-CH3]をクリックして(もしくは選択した水素上で右クリックして)エチル基に変換します。さらに先ほどと同じ要領でアミノ基を追加し、アミノ基の水素をメチル置換を繰り返すことにより、プロカインが完成します(Fig.6)。