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Cocaine(コカイン)のモデリング

コカインは、言わずと知れた麻薬の一種で、中枢神経に作用して高揚感などをもたらします。この分子の構造は独特で、シクロヘキサンとシクロペンタンが縮環した構造をしています(Fig.1)。このような特殊な立体構造は、簡易構造最適化機能を利用することにより、容易に構築できます。

初期画面より、置換基リストから[-CYCLOHEXYL]を選択して置換、シクロヘキサンを作成します(Fig.2)。この中でAxial水素を2つ、[-CH3]ボタンを使ってメチル基に置換します。続いて、内側を向いた水素を[DEL]ボタンで削除し(Fig.3)、これら炭素二つを選択した上で画面左上に4つ並んだアイコンの右から2つ目「結合付加」ボタンをクリックします。これにより、5-6縮環構造が出来上がります。

このままでは結合が伸びきっていますので、[編集(E)]メニューの[クリーン_]を選択し(Fig.4)、簡易構造最適化することにより、整った縮環構造にすることができます(Fig.5)。簡易構造最適化を用いると、普通に置換基を付けたり削除したりでは難しい構造も、結合付加/削除を併用することで簡単に作ることができます。カンファ(樟脳)に代表されるノルボルナン骨格も、シクロペンタンを出発構造として、コカインと同様にモデリングすることができます。

以上で基本骨格は完成ですので、あとは置換基を付け加えていけば完成となります。メチレン架橋部位の炭素を窒素に変えるには、置換基リストの右にある元素リストから窒素(N)を選択し、置換対象の原子を選択した上で[Repl.]ボタンをクリックします。あとは特に難しいところは無く、今までに説明したもので十分に可能ですので説明は省略します。完成した構造はFig.6です。