Benz[a]pyrene(ベンゾ[a]ピレン)のモデリング
ベンゾ[a]ピレンは、不完全燃焼の煤中に含まれている強発がん性物質の一つです。5つのベンゼン環が縮環した構造をしていますが(Fig.1)、Winmostarでは登録されている特殊な置換基を利用することで簡単にモデリングすることができます。
最初は、プロカインのモデリングと同じようにベンゼンを作成します。ここで、水素を一つクリックして選択し、中央上の置換基リストから「-2-NAPHTHYL」を選択し、[Add]ボタンをクリックして置換します(Fig.2)。デフォルトではFig.2のように、ねじれた感じでナフチル基が接続しています。これを修正するには、フェニル基とナフチル基の間の結合を回転させます。この結合を選択し(2つの炭素を連続して選択し、太い赤丸と細い赤丸がつくようにする:Fig.3)、[編集(E)]メニューから[部分回転(R)]を選択します(Fig.4)。モデリング画面で上下にドラッグすると、ナフチル基が回転しますので、ちょうど平面になるようにします。
次に、ナフチル基の1-位と8-位の水素をそれぞれ選択してから[DEL]ボタンをクリックすることにより削除します(Fig.5)。そして、フェニル基のオルト位の水素のうち、今水素が削除された側に近い水素(スクリーンショットでは上側)を選択します。置換基リストの中から[-CHCH-]を選択して置換すると、環がつながります(Fig.6)。同様に置換することにより、ベンゾ[a]ピレンを構築することができます(Fig.7)。縮環系の構築は、今用いた[-CHCH-]の他、[-CH2]や[-CH-]を利用することにより、どんな形でも簡単に行うことができます。